昨年の秋がよく花が咲いてくれた分、今年は花つきはいまいちのような気がしている。秋に花をつけた分のケアが足りなかったというのが正しいのだろう。肥料もいつもほどはしっかりやっていないし、テッポウムシ被害の対応に心がいってしまって、基本的なケアを怠っていた気もする。
そんな中で、アブラハム・ダービーは調子がいい。もともと強健な品種ではあるとは思うが、我が家の株は輸入苗、根は日本のノイバラの根ではない。たぶん、ロサ・カニナやロサ・ラクサの根を使っている。ノイバラの根は、比較的固くて横に細かく広がる根をしている。地表に近いところをはいながら、地表近くの豊富な養分を吸収できるようにできている。一方、ロサ・カニナの根はごぼうのような根で、地中深くまで伸びる。ヨーロッパは日本に比べて雨が少ないので、地中の深い部分から水分を効率よく吸収できるようにできているだろう。ローズポットも外国製は深い。理由は根の形だと思っている。
ノイバラの根に継いだ株の成長がいいのは明らかだ。挿し木のバラの成長と接ぎ木のバラの成長を比べれば明らかである。
輸入苗はといえば、どちらかといえば成長は穏やかである。アブラハム・ダービーはつるバラのように伸びるはずなのだが、普通にブッシュのバラとして育っている。根がしょぼいからきっと弱っていって枯れるかなと思っていた。西側でどちらかといえば土はいつも乾いている場所。この環境は地中深く水分を吸収するこの株にはよかたに違いない。他の植物との競合もすくなく、しっかり成長できたのはないかと思う。
この株は我が家ででは古株、2007年に植えているのでもうすぐ10年だ。ころのころ植えた株は、そろそろ老化が進んでいて、あまり花をつけなくなってきているが、このアブラハム・ダービーはそれほど弱っているようには感じない。ぐいぐい伸びる若いつるバラのような成長力は最初からないが、確実に枝を伸ばす。株元もそれほど太くはないが、テッポウムシにもやられないし、癌腫病にもならない。ほんとうに長く楽しめるいいやつなのである。
接ぎ木で売られているバラの苗は、根の老化運命である。適当な時点で挿し木にするとか、接ぎ木をして第二世代を作るとかしていかなくてはいけない。ノイバラの根は強力ではあるが、長く楽しむには自根がいいのかもしれない。輸入苗も環境が合えば、いい感じに育つし、特性を活かせる場面もある。そんなことをちょっと考えてみたわけです。
今年のアブラハム・ダービーはとにかく立派。ほかがしょぼいのに、たいしたものである。
1 件のコメント:
2011年ごろの記事を読むと、アブラハム・ダービーはいまいち成長がよくないと書いている。我が家の株はそんな感じだったわけだが、枯れてしまったり、弱って花つきが悪くなっているわけではなく、安定して花をつけているし、シュートは出なくても少しづつだが成長もしている。それで、いいと思う。イングリッシュ・ローズはそんなものだとわかった。
コメントを投稿